「じゃあ、本番入ります」
今日はサークルで作っている映画の、撮影最終日。次のシーンは、主演の俺と、客演で参加しているヒロイン役の女優との濡れ場だ。前バリをし、雑念を振り払う。
「あぁん」
女優の真紀ちゃんが、喘ぐ。小悪魔的な童顔をくしゃくしゃにして、甘い息を吐く。もちろん演技なのだが、目の前でかわいい女性が喘いでいたら、男としては平常心を保つのが大変だ。「集中、集中」と自分に言い聞かせ、俺は腰を振り、恍惚の表情を浮かべる。
「はい、OK!」と監督が叫ぶ。
無事終わった。バスタオルに身をくるむ真紀ちゃんと目が合う。真紀ちゃんも安堵したのか、にっこりとほほ笑む。それを見て、自然と俺も笑みを浮かべた。
その後の撮影はつつがなく進み、夕方にはクランクアップとなった。
その日の夜は、打ち上げの宴会が行われた。2ヵ月におよぶ撮影を終えた充実感から、裸踊りをはじめるやつがいるほど盛り上がった。真紀ちゃんも参加していたが、俺とは遠くの席に座っていた。でも、ときどき目が合った……気がする。
終電の時間となり、店を出て、みんなで駅に向かって歩いた。途中、真紀ちゃんがやってきて俺と並んで歩く。
「お疲れさまです」真紀ちゃんが笑顔で言う。
「お疲れ」
「帰っちゃうんですか?」
「そのつもりだけど……」
「寂しいなぁ」
「え、じゃあ、どっかに行く?」
「はい。2人で抜けだしましょうよぉ」
真紀ちゃんと一緒に、こっそり集団から離れた。
「どこ行く? 真紀ちゃんは、まだ飲み足りない?」
「お酒はもういいです。疲れたし、ゆっくりできるところがいいなぁ」
「例えば?」
「……ホテルとか」
真紀ちゃんはうつむいて、小さな声で言った。当然、俺は驚いた。
「ホテル!?」
「今日、濡れ場があったじゃないですか?」
「うん」
「そのとき、演技じゃなくて、本当にセックスがしたいなって思ったんです。それで、お酒飲んでたら、どうしても我慢できなくなっちゃって」
真紀ちゃんが俺の手を握った。俺は力強く握り返す。そして手をつないだまま、2人とも無言で、ホテルまで歩いた。
ホテルの部屋に入ると、真紀ちゃんは背伸びをして、俺の唇に吸いついてきた。俺も真紀ちゃんの下唇を吸い返す。舌を絡め合う。真紀ちゃんの舌は、とっても甘い味がする。舌と舌の摩擦から、クチュックチュッ、と小さな音が洩れる。
しゃがみ込んで、真紀ちゃんのスカートの中に、顔を入れる。パンティを下ろし、肉の割れ目を優しく舐めていく。
「あんっ、なんでそんなやり方するのぉっ、恥ずかしいよぉ」
「いや?」
「嫌じゃないけどっ、はぁっ、恥ずかしいっ。でもっ、興奮しちゃう」
真紀ちゃんは喘ぎながら、白い太ももで俺の顔を挟む。ほどよく肉がついていて、挟まれ心地は最高だ。
「お願いっ、クリトリスも舐めてぇ」
そういうお願いなら、喜んで聞き入れる。両手の親指で包皮をむき、顔を出した小突起をチュウチュウと吸う。
「はぁっ、そこぉぉ!」
普段の真紀ちゃんからは想像できない、卑猥な声が発せられる。
「真紀ちゃん、声が撮影のときとは比べ物にならないほど、エッチだよ」
「だってぇ、あはぁっ」
クリトリスを舐めつつ、秘穴に人差し指を突っ込む。Gスポットを集中的に刺激すると、真紀ちゃんは腰を何度もよじった。
「もっと、激しくするよ」
「えぇ!? そんなっ、はぁっ」
中指も膣に突っ込み、2本の指で掻き回す。真紀ちゃんは、俺の顔を挟んでいる太ももの力を強める。
「真紀ちゃん、そんなに強く挟んだら痛いよ」
「だってぇ」
すでに真紀ちゃんのオマンコは淫汁で溢れている。掻き回す2本の指の動きを激しくすると、真紀ちゃんは、あはぁぁっ、と声を上げて膝が折れ、床にへたりこんだ。
「もぉ、だめぇ。次は私が舐めるぅ」
真紀ちゃんは、俺のジーンズとトランクスを急いで下ろし、すでに勃起しているチンコを咥えた。そして、おいしそうにしゃぶる。
「おいしい?」
ペニスを咥えたまま、真紀ちゃんはうなずく。小さな口で、巨大化した肉棒を咥え、必至に顔を上下に動かす姿は健気さを感じさせた。
「真紀ちゃん、もういいよ。それ以上されたら、出ちゃうよ」
真紀ちゃんはペニスから口を離し、すがるような視線を俺に向け、「挿れてください」と言った。そして、服を脱ごうとする。
「脱がないで」
「え?」
「俺、服を着たままの方が興奮するんだ。そのまま、ベッドの上に四つん這いになって」
真紀ちゃんは、俺の言うとおりにする。突き出されたお尻に、俺はゴムを装着したペニスを突き刺した。ジュプッ、と陰茎が吸いこまれる。
「あはぁっ! 入ってきたぁっ」
歓喜の声を上げる真紀ちゃんの腰を両手でつかみ、カクカクと腰を振る。柔肉との摩擦で、ペニスにこれ以上ない快感が走る。
真紀ちゃんは、まるで子犬のように鳴いている。
「真紀ちゃんの顔、見せて」
そう言い、正常位へと体位を移行する。真紀ちゃんは目尻に涙をため、顔を歪めて、あらんばかりの声を出している。
「はぁっ、やばいっ、やばいよぉっ、イッちゃうよぉ」
“の”の字を描くようにして、ペニスを突く。その動きを激しくしていくと、イクぅぅぅぅ、と叫び、真紀ちゃんはエクスタシーを迎えた。
つられるかのように、ペニスが爆発した。真紀ちゃんの膣の中で、コンドームに精子を放出する。
ベッドに横になった俺に、真紀ちゃんは抱きついてくる。そして、「ちょっと経ったら、もう1回しよぉ」と愛おしそうにペニスをいじくり出した。